【いろどりイベントレポート】第2回「季節の発酵食づくり!~甘酒を仕込んで甘酒スコーンをつくろう!~」レッスン

ライターりょうこが気になる「いろどりイベント」に潜入!

第2回 「季節の発酵食づくり!~甘酒を仕込んで甘酒スコーンをつくろう!~」レッスン

8つに色分けされたカテゴリーで、彩り豊かな毎日と人生を後押しする「いろどりイベント」。今年4月にスタート以来、多彩な分野の講座やワークショップが展開され、連日カフェは大にぎわい! そんな気になる「いろどりイベント」に、いろむすびスタッフライターのりょうこが潜入! 実際に体験した模様をセキララにお届けしていきたいと思います。

第2回は、くらしデザイナーであり、食の伝え手でもある濱島展枝さん(通称・のぶさん)による、「季節の発酵食づくり!~甘酒を仕込んで甘酒スコーンをつくろう!~」の模様をご紹介します(色カテゴリーは『FOOD』<食育>の黄色)。「飲む点滴」と言われるほど、栄養いっぱいの甘酒の仕込み方から、甘酒を使ったスイーツ&ドリンクづくりまで、参加者の皆さんとワイワイ楽しみながら学んできました。そのにぎやかなレッスンの模様をぜひご覧ください!

●参加者の子どもたちと一緒に童心に帰りながら、甘酒スコーンづくり

今回、このレッスンに参加することになって、これまで市販の甘酒しか飲んだことがないライター・りょうこは、「甘酒って自分で作れるんだ!!」と、そこからまず驚きが。発酵食づくりが初めての私でも、うまくできるんだろうか?……とドキドキしながら参加すると、伝え手ののぶさんが明るくほがらかに出迎えてくれてホッと一安心。親子で参加する方も多く、子どもたちのかわいらしい姿に自然と心も和み、和気あいあいでレッスンがスタートしました。

まずは、焼くのに時間を要する「甘酒スコーン」の作り方から教わることに。皆で順番に手を洗って、早速スコーンづくりにとりかかりました。

薄力粉やベーキングパウダー、無塩バターなど、材料をすでにボウルに用意いただいていたので、私たちはそれらを混ぜて生地にするだけという楽ちんぶり!


「バターを指でつぶしながら、粉をまとう感じで混ぜてくださいね!」というのぶさんの声に、子どもたちもママと一緒に一生懸命、まぜまぜ。普段、お菓子づくりなどしない私は、素手で材料を混ぜてこねているだけでもう楽しくて、すっかり童心に返ってしまいました。

バターの粒が米粒状になるぐらいまで混ぜたら、お塩と、のぶさんお手製の白米麹で作った甘酒を入れて、生地にしていきます。この甘酒、砂糖の代わりに甘みを出してくれたり、甘酒の酵素が活動して生地をしっとりふっくらさせてくれる効果もあるそう。おいしくて、仕上がりもふっくらして、体にも優しいという一石三鳥ぶり。甘酒パワー、おそるべしです。

生地がまとまったら、スプーンですくい、それぞれ思い思いの形にオーブン皿の上に並べます。オーブンで焼き上がるまで約20分。この間に、自家製の甘酒の仕込みにチャレンジすることになりました!

●ちょっとだけ手をかけて変化を楽しむのが発酵食づくりの醍醐味

「甘酒は2種類あって、酒粕をお湯に溶いて砂糖を加えたものと、米麹をお湯(と米)に加えて発酵させるものがあります。酒粕で作る甘酒はアルコールが少々入っていますが、米麹で作るものはノンアルコールで自然な甘みが特徴なんですね。今回はこの米麹を使って甘酒を仕込みたいと思います!」

と、のぶさんから甘酒についての説明があると、参加者の皆さんも期待に目を輝かせていました。

仕込みの仕方は想像以上に簡単! 持参した保温ボトル(500ml)にお湯を入れて米麹を加えて混ぜるだけ、なんです。「え? 作業はこれだけなんですか!?」と皆さんも驚き顔です。

ただ、発酵させるには温度管理など、ちょっと手間をかけてあげることが肝心。ボトルの中のお湯を60℃程度に保つことが大切なのです。

お湯の温度はすぐ下がってしまうので、まずは70℃程度のお湯を用意し、ボトルに注いでその中に自然栽培の白米麹をイン! 蓋を閉めて軽く振り混ぜると、ちょうど60~65℃ぐらいになります。

このまま自宅にお持ち帰りして、6~8時間保温すると、発酵が進んで、甘酒が出来上がるのだとか。

「4時間ぐらい経つと、温度が下がってくるので、ご自宅で温度を測ってみて55℃以下に下がっているようでしたら、鍋に移して65℃ぐらいになるまで加熱してみてください。温度が50℃以下など下がってしまうと酵素が働かなくなって甘みが減ってしまったり、酸味が出てしまったりするので、ちょっとだけ手をかけてもらえるといいかなと思います」(のぶさん)

最初の仕込みは至ってシンプルですが、出来上がるまでちょっとだけ手をかけたり、変化を見守っていくのが発酵食づくりの醍醐味なのかも、と素人ながらに感じ……。家に帰って、麹がどんな風に変化していくのかますます楽しみになりました。

●お待ちかねの甘酒スコーンが完成! 2種類の甘酒ドリンクとともにいただきます!

そうこうしているうちに、お待ちかねの甘酒スコーンが焼き上がりました!

「バターのいい匂いがする~!」と子どもたちから歓声が。ふっくらと仕上がったスコーンを横目に、「早く食べたい!」気持ちを抑えながら、一緒に試食する甘酒ドリンクづくりに入りました。

今回はのぶさんお手製の無農薬の黒米麹の甘酒と、自然栽培の白米麹の甘酒をそれぞれいただくことに。そのまま飲む&水で割ってもおいしいですが、今回は黒米麹と豆乳のブレンド、白米麹と豆乳、アップルジュースをブレンドした2種類の甘酒ドリンクを作ることになりました。

皆で協力しながら計量&ブレンドしてドリンクが完成! 黒米麹のほうは、ほのかに紫色でとっても甘く、白米麹のほうはりんごのフルーティな味と甘酒の自然な甘みがほどよく調和して、それぞれの味の違いを楽しみました。子どもたちも「おいしい!」と、ゴクゴク。




そしていよいよ甘酒スコーンの試食です! ところがここで、りょうこの痛恨のミスが判明! スコーンの生地を作る際にお塩を入れ忘れるという、うっかりミスをしてしまったのでした。のぶさんから、「大丈夫ですよ! お塩が入ってなくても十分おいしいから!!」と優しくなぐさめられ。参加者の皆さんにも「ドンマイです(笑)」と励まされて、出来上がったスコーンに上からお塩をパラパラかけて、なんとか乗り切りました。

ただ、ここで強い味方が! スコーンをより一層おいしくしてくれる、これまたのぶさんお手製の甘酒クリームが登場したのです。甘酒とアーモンド粉、葛粉、メープルシロップで作ったクリームだそうですが、このトロっとした優しい甘みがとっても美味。甘酒スコーンの素朴な味にクリームがマッチして、皆で「めっちゃ、おいしいですね!」と笑顔いっぱいの素敵なブランチタイムになりました。

試食の間に、のぶさんから甘酒の効能について説明がありました。

「甘酒は疲労回復に効果のあるブドウ糖やビタミンB群が豊富に含まれていて、夏バテや疲れやすい時に飲むと元気が出るんですね。クーラーのない江戸時代から、この甘酒が夏バテ対策として広く飲まれていて、庶民の味方だったようです。私は梅雨の時期が特に苦手で食欲がなくなる時があるんですが、朝ごはん代わりに豆乳で割った甘酒を飲んだところ、調子が上がってつらい時期を無事乗り切れました」

他にも、甘酒にはリラックス効果の高いアミノ酸の一種、パントテン酸が含まれていたり、腸内環境を整えるオリゴ糖や食物繊維も含まれていたりと、甘酒の知られざるパワーを知り、ますますその魅力に引き込まれ……。皆さん、「自宅でも毎日作りたい!」と熱心に耳を傾けていました。

●甘酒効果で、お疲れ気味のママたちもピカピカの笑顔に!

こうして楽しい学びの時間は過ぎ、参加したママたちから「一週間の疲れがたまって、しんどかったけど、甘酒効果ですっかり元気になりました!」とピカピカの笑顔が。仕事でお疲れ気味だったりょうこも、午後からのハードな予定もラクラクこなせそうなぐらい、身体が軽くなりました。

さてさて、米麹を保温ボトルに入れてからちょうど4時間ぐらい経ったころに自宅で温度チェック! 51℃ぐらいまで温度が下がっていたので加熱しました。


8時間が経って発酵具合をチェックすると、麹がふっくらと膨らんで甘酒っぽくなっていました。のぶさんから、「発酵した甘酒を最後に70℃ぐらいで約10分加熱すると(火入れ)、より甘みと香りが増し、味が安定しますよ!」と言われていたので、仕上げに火入れをしてパワーアップ! 酵素が70度以上になると最後のひと働きをして、甘みをググッと出してくれるそうなのです。

その後、粗熱をとり、冷蔵庫に保管(冷蔵で2~3週間、冷凍で3カ月保存可能)。翌朝、楽しみにしていた自家製甘酒を朝食代わりに飲むことにしました。

まずはそのまま味見をすると、やわらかな甘みが口の中に広がって、朝から「うまい!」と思わず大きなひとり言が(笑)。このままでもおいしいですが、せっかくなのでキウイと豆乳をミキサーにかけて甘酒とブレンド! 「甘酒キウイスムージー」を作ってみました。

甘酒のつぶつぶとキウイの果肉で飲みごたえがあって朝食にピッタリ! 久々に優雅な朝を迎えて、ハッピーな気分で一日がスタートできました。

最初は「甘酒って自分で作れるの?」と、ちょっと大変そうなイメージがありましたが、意外と簡単で自分で勝手に上げていたハードルがぐんと下がり、新しい世界が広がりました。

買ったものをいただくのもいいけれど、自分で作るのはもっと楽しい! なにより自分の体と心が喜んでいる! 手作り発酵食の世界が日常をより豊かにしてくれそうだと感じました。

さてさて、そんな濱島展枝さん(のぶさん)が伝え手を務める「季節の発酵食づくり」の講座は、2月17日(土)午前10時~11時半まで、いろむすびcafeにて開催されます! 次回は、発酵食の王様、「味噌」を仕込みます。のぶさんこだわりの体にいい材料を使って、「大豆×玄米麹の味噌」と「ヒヨコ豆×白米麹の白味噌」の2種類を仕込むそうです。2月は味噌づくりにベストな季節だそうなので、ぜひぜひ今年こそ(去年参加した方は今年も!)、のぶさんと一緒に自家製味噌を仕込みましょう!

詳しくはこちら(https://www.iromusubi.com/event/hakoshoku

<濱島展枝さんプロフィール>

くらしデザイナー。「食べるを真ん中に健やかなくらしをデザインする」をコンセプトに、『KURASHI DESIGN モリ乃ネ』を主宰。長年、グラフィックデザイナーとして様々なプロダクトやパッケージのデザインに携わってきた経験をもとに、日本の伝統的食文化である発酵食や保存食の素晴らしさを、より現代風に、スタイリッシュに届けることに力を注ぐ。オーガニック料理ソムリエ、かんぶつマエストロ、発酵食スペシャリスト、スーパーフードプランナー、和食にすとなど多彩な資格による確かな食の知識で保存食・発酵食をガラスびんでつくる「五感で楽しむ♪びん×(de)Kitchen」や、季節ごとに色をテーマとした料理教室、丁寧なくらしをテーマとしたワークショップなどを展開、幅広い層から人気を集める。公式HPはこちら(www.kdmorinone.com/home/

<いろむすびスタッフライターりょうこプロフィール>

伯耆原良子(ほうきばらりょうこ)。文筆家。人材派遣会社を経て、日経ホーム出版社(現・日経BP社)で就職情報誌の編集に携わる。2001年に独立後、雑誌、書籍などで様々な業界で働く人に仕事観や人生観を1000人以上にインタビュー。「人が幸せに生きるには何が大切なのか?」をテーマに執筆活動をしている。いろむすび理事の友人でもあり、2017年より強力な助っ人として、スタッフメンバーに加わる。